TPO STORES INTERVIEW
しかたらむかな / 神楽坂
kif annex
神楽坂の路地にて、 空間と共に創造性も広がる。
清澄白河で人気の「中村食糧」が、神楽坂へ移転し「しかたらむかな」としてニューオープン。
店舗移転の経緯や、新しいテナントについてお伺いしました。
*清澄白河FRAMEでの中村食糧の記事はこちら
―移転の経緯について
神楽坂での新築の計画が決まり、中村さんへ1階のテナント区画に出店の打診をしたのはTPOからでした。
中村さんも、ちょうど“もう少し広い所があれば”と探していて、良いタイミングだったそう。
物件完成前から移転が決まり、中村さんが物件を見たのはなんと建物の基礎が立ち上がったくらいの時。それでも「立地が気に入って即決しました」と笑顔で話してくださった中村さん。
「あまり人通りが多くなくて、ちょっと入ったところが好きだったので」と、神楽坂の路地にひっそりと建つkif annexならではの魅力が中村さんの好みにマッチしました。
―内装について
内装設計は、清澄白河のFRAMEで「中村食糧」の内装設計を担当した中村さんの同級生が引き続き担当。
「(建物が)そのままでかっこいいので、手を付けずがベースで」と、建物のデザインを活かす考え方は変わらずでした。
今回工夫した点等を聞くと、「(入り口の段差のところに)階段をつけないといけないのが難しくて…」と、半地下になっていることでの苦労も。
退去時にスケルトンの状態へ戻すことも考慮した結果、木枠を作ってレンガを積むことで、デザイン性は確保しながら撤去もしやすい階段となりました。
実は清澄白河のFRAMEと神楽坂のkif annexは、同じ千葉学建築計画事務所の設計。
建物の造りや内装設計にあたっての制約等は共通していたので、「やってはいけないことをFRAMEで学んだので(笑)」と、明るく笑い飛ばしていただきました。
―移転してみて
まず、建物の外観が黒ということに驚いたという中村さん。
「千葉さんの設計で外壁の色が黒というのが初めは驚いたけど、今は神楽坂になじんでいて気に入っています。」とのこと。
2009年に竣工したkifの正面に計画されたkif annex。どちらも黒い外観で、石畳の路地の趣が増します。
店舗の区画については、専有面積がFRAMEの倍になったことで、バックヤードも販売スペースも倍の広さに。
設備を大きなものに変更してパンを倍焼けるようになり、販売スペースに置けるパンの種類も増えたそう。
立地的にもぶらりと歩いていて辿り着く場所ではないことから、「お客さんもここ(しかたらむかな)を目指して来てくれる人が多くなった」とのことで、「1人の購入量が多くなった」という嬉しい相乗効果も。
そして、外観のアクセントにもなっている3つの窓。
FRAMEには窓が無かったので、「お客様が並んでいるのが見えたり、日が入る感じ」がお気に入りポイントだそうです。
―本日のパン
kif annexに移転してから、13時以降は予約なしで購入できるようになったしたからむかな。
14時頃には20種類以上あったパンが既に数種類になっていました。
今回は、神楽坂のお豆腐屋さん「かつのとうふ」のお豆腐を使った「おとうふ」と、秋の味覚を楽しめる「マロロン」を購入しました。
おとうふは優しい風味のふわふわもちもち、マロロンはしっとり甘みのある生地に栗がゴロゴロと入って食べ応え抜群でした。
店名にこだわりは無かったという「しかたらむかな」。
思わずクスッとしてしまうフルネームをひっくり返した店名に、中村さんの変わらぬクリエイティビティを感じました。
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店主 中村隆志 プロフィール
1989年和歌山県生まれ。
専門学校卒業後、関西のパン屋にて4年勤務し2014年和歌山にて独立。
ギャラリーでの販売から始まり、2017年に『3ft 』、2020年に『中村食糧』開業し、現在に至る。
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