TPO STORES INTERVIEW
來経 / 神楽坂
kif
あたたかな建築空間。 偶然の再会で繋がった縁を大切に。
―独立のきっかけと來経(きふ)との出会い
新型コロナウイルス拡大の最中、前職からの独立を考えた時に鮨職人を募集していたことが來経との出会いでした。
応募してオーナーと面談。するとそのオーナーが、料理長 佐藤さんの勤めていたお店に来ていたお客さんだったという偶然の再会を果たしたそう。
「縁ですよね」と佐藤さん。
ほころんだ表情に、偶然を引き寄せる人柄を感じました。
―來経の内装デザインについて
來経を語るうえで欠かせないのが、前身の「懐石料理 來経」。
懐石料理屋として営業していた來経の内装を活かす形でリニューアルし、鮨の來経がオープンしました。
もとの内装デザインはアシハラヒロコ氏。
和紙や左官を使った和のテイストが美しく、心が落ち着く空間です。
基本的には設備や内装をそのままに、変更した部分は窓と木の調理台。
「光が入る様に」と、以前の來経では埋めていた窓の部分を開けて鮨の暖簾をかけ、ステンレスだった調理台の奥行を広げる形で木の調理台を設置したそうです。
より、和のテイストが強まった印象に。
使い勝手については「とても良い」そうで、特にバックヤードは懐石料理屋時代のまま設備が整っており広さも確保されているため、仕込みに重宝しているとのことでした。
ちなみに、店内入り口では茶湯スタイルでお茶を淹れており、これは以前のキフでお抹茶を出していた際に使われていたものを踏襲。
暖かい日本茶を鶴と亀の遊び心ある湯呑みでいただきました。
―本日のランチメニューについて
ランチでいただいたコースは全21品。
中でも今日のおすすめは「大間の200kg鮪」とのこと。
同席していたマグロ好きのお客様も顔を見合わせて笑顔に花を咲かせていました。
目の前で丁寧に握られていく職人の技術を堪能しつつ、鮨が目の前に来るのを今か今かと期待する時間の豊かさ。
1貫1貫を來経の空気感と楽しむひと時はあっという間に過ぎていきました。
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料理長 佐藤佑樹氏 プロフィール
1982年、秋田県生まれ。学生の頃より鮨の業界に携わった事がきっかけで「鮨屋」の楽しさを知り鮨職人を志す。都内の鮨屋数店で修行した後、銀座のミシュラン星獲得店を任せられた経歴の持ち主。
2020年9月『來経』料理長に就任。一つ一つの仕事を大切に、素材のポテンシャルを最大限に引き出す「鮨」を目指している。
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